パレルモ風ナスのパルミジャーナAI画像

パレルモ風ナスのパルミジャーナ

薄く縦切りにして揚げ焼きしたナスをトマトソースとチーズで重ね、仕上げに数時間休ませるシチリア・パレルモの家庭料理。

分量: 4 調理時間 60 分 副菜
ベジタリアン含まれるアレルギー物質: 乳成分
ラベルは材料から自動的に判定されており、誤りが含まれる場合があります。気になる方はパッケージをご確認ください。

材料

パレルモ風ナスのパルミジャーナ — 材料: ナス, トマトパッサータ, 玉ねぎ, バジル, ハードチーズ, 塩

作り方

  1. ナスをよく洗い、へたを切り落として、同じ厚さになるよう縦に薄切りにする。

  2. フライパンにサラダ油をたっぷり熱し、ナスの両面にしっかり火が通るまで揚げ焼きにする。

  3. キッチンペーパーを敷いた皿に取り出して余分な油を切り、冷ましておく。

  4. 鍋にオリーブオイルを熱し、みじん切りにした玉ねぎを加えてきつね色になるまで炒める。

  5. トマトパッサータを加え、塩とチリパウダーで味を調える。

  6. 弱火で少なくとも30分、ソースを煮込む。

    30 分
  7. 大きな耐熱皿の底にソースを一層敷き、その上に揚げ焼きしたナスを並べ、ハードチーズを振りかけてバジルの葉を数枚のせる。

  8. 同じ順番で層を繰り返し、少なくとも3層になるように重ねる。

  9. より美味しく仕上げるため、パルミジャーナを数時間休ませてから食べる。

これはナスの重ね焼き、南イタリアの夏の料理です。肉もオーブンも実はなくてもいい。いるのは油で揚げ焼きしたナスと、じっくり煮たトマトソースと、辛抱だけです。

成否を分けるのはまず水分です。ナスは9割が水でできています。これを生のまま重ねてソースと焼くと、料理全体がびしゃびしゃの水たまりになります。だから揚げ焼きという一手間があります。油の高温(170〜180度くらい、ナスを入れるとジュワッと細かい泡が立ち続ける温度)に触れると、ナスの表面は一瞬で固まり、中の水分は外に逃げながら蒸発します。結果として、水っぽさの代わりに甘みと香ばしさが残ります。「ナスは油を吸うから体に悪い」と言う人がいます。でも実際に吸うのは表面だけで、それもキッチンペーパーでかなり落とせます。問題にすべきは脂肪ではなく、揚げずに済ませて水っぽい料理になることの方です。

もう一つの分かれ目はソースです。玉ねぎを炒める、トマトパッサータを加える、そして「少なくとも30分」煮る。この時間は下限であって、時計より鍋の中を見てください。最初はトマトの水っぽい赤が鍋いっぱいに広がっていますが、煮詰まるにつれて色が濃くなり、表面につやが出て、木べらで鍋底をなぞったときに一瞬だけ底が見える筋ができるようになります。そこまで来て初めて、ソースはナスの間でゆるく流れ出さずにとどまる濃度になります。

そして最後に、オーブンに入れる前の段階で、すでに料理はほぼ完成しています。あとは重ねて、数時間休ませるだけ。この「休ませる」工程を省く人がいますが、それは大きな間違いです。できたてはソースとナスの層がまだ別々に存在していて、味も食感もばらばらです。数時間、できれば一晩置くことで、ソースがナスにしみ込み、層同士が馴染んで、切り分けたときに崩れずに一切れとして持ち上がるようになります。辛抱も材料のひとつだというのは、ここで一番よく分かります。

ナスから見ていきましょう。5本、縦に薄切り。厚さを揃えるのは見栄えのためだけでなく、揚げ焼きの均一さのためです。薄いところは早く火が通り、厚いところは生っぽく残る。そうなると層の中に食感のムラができてしまいます。縦切りにする理由も実用的で、断面が大きい分、油との接触面が増えて中まで火が入りやすく、かつ重ねたときに皿の形に沿いやすくなります。

揚げ焼きの油は「たっぷり」とだけ指定されていますが、目安としてはナスが半分以上浸かるくらいの深さがあると扱いやすいです。少なすぎる油でやると、鍋肌に接した面だけ焦げて中が生のままという失敗がよく起こります。油の種類はサラダ油、つまり癖のない植物油です。オリーブオイルで揚げ焼きしてもいいですが、高温に長く晒すと香りが飛んでしまうので、もったいないというのが実際のところです。ここは安い油の出番、オリーブオイルは後段のソースのために取っておく方が合理的です。

玉ねぎは「きつね色になるまで」という表現が全てを語っています。色が金色からきつね色、つまり赤茶色に変わる手前で止めるのがコツで、そこを過ぎると苦味が出てソース全体を台無しにします。中火でじっくりという以上の秘訣はなく、強火で急いで色だけつけても、玉ねぎの甘みは出ないまま焦げの香りだけが残ります。フライパンの中で玉ねぎが時々パチパチと小さく跳ねるくらいの火加減が、家庭用コンロでは扱いやすい範囲です。

トマトパッサータは漉したトマトのピューレで、種や皮がない分、煮詰めたときになめらかな層ができます。手に入らない場合は缶詰のホールトマトを潰して使えますが、その場合は水分が多めなので煮る時間が延びることを覚悟してください。基準は「とろみがついて木べらの跡が一瞬残る」状態であって、パッサータかどうかそのものは本質ではありません。

チリパウダーと塩は「お好みで」とされていますが、これは手を抜いているのではなく、トマトの酸味や甘みがその日その日のナスや季節で変わるからです。味見をしながら、酸っぱすぎると感じたら塩を少し足す、というのが正しい調整の仕方で、最初から分量を決め打ちにする方が実は不自然です。

ハードチーズとバジルは層の間に散らすもので、オーブンでとろけて層をつなぐ接着剤のような役目を果たします。パルミジャーノやペコリーノのような、水分が少なく塩味の強いチーズが向いています。モッツァレラのような水分の多いチーズを使うと、せっかく揚げ焼きで飛ばした水分がまた戻ってきてしまうので、避けた方がいいでしょう。バジルは生の葉を使うことで、火が通ってもかすかに香りが残ります。乾燥バジルで代用する場合は、層の途中ではなく仕上げに振るくらいの使い方が合っています。

このレシピを報告 hello@fridge.menu